平成21年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問9
【問題9】
コンピュータフォレンジクスの説明として,適切なものはどれか。
あらかじめ設定した運用基準に従って,メールサーバを通過する送受信メールをフィルタリングすること
磁気ディスクなどの書換え可能な記憶媒体を単に初期化するだけではデータを復元させる可能性があるので,覆い隠すように上書きすること
不正アクセスなどコンピュータに関する犯罪の法的な証拠性を確保できるように,原因究明に必要な情報を保全,収集して分析すること
ホストに対する外部からの攻撃や不正なアクセスを防御すること
【解説】
ア: あらかじめ設定した運用基準に従って,メールサーバを通過する送受信メールをフィルタリングすること
誤り。これはスパムメール対策などの「メールフィルタリング」の説明であり、フォレンジクスの範囲ではありません。
イ: 磁気ディスクなどの書換え可能な記憶媒体を単に初期化するだけではデータを復元させる可能性があるので,覆い隠すように上書きすること
誤り。これは「データ消去」の方法の説明であり、証拠保全を目的とするフォレンジクスの説明ではありません。
ウ: 不正アクセスなどコンピュータに関する犯罪の法的な証拠性を確保できるように,原因究明に必要な情報を保全,収集して分析すること
正しい。コンピュータフォレンジクスは、法的手続に耐え得るよう、証拠の完全性と信頼性を確保しながら情報を収集・分析する手法です。
エ: ホストに対する外部からの攻撃や不正なアクセスを防御すること
誤り。これは「防御」や「予防」のためのセキュリティ対策の説明であり、フォレンジクスの目的である「証拠の収集と分析」とは異なります。
【答え】
ウ: 不正アクセスなどコンピュータに関する犯罪の法的な証拠性を確保できるように,原因究明に必要な情報を保全,収集して分析すること
出典:平成21年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問9