平成21年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問10
【問題10】
通信の暗号化に関する記述のうち,適切なものはどれか。
IPsecのトランスポートモードでは,ゲートウェイ間の通信経路上だけではなく,発信ホストと受信ホストの間の全経路上でメッセージが暗号化される。
LDAPクライアントがLDAPサーバに接続するとき,その通信内容は暗号化することができない。
S/MIMEで暗号化した電子メールは,受信側のメールサーバ内に格納されている間は,メール管理者が平文として見ることができる。
SSLを使用すると,暗号化されたHTML文書はブラウザのキャッシュの有無が設定できず,ディスク内に必ず保存される。
【解説】
ア: IPsecのトランスポートモードでは,ゲートウェイ間の通信経路上だけではなく,発信ホストと受信ホストの間の全経路上でメッセージが暗号化される。
正しい。IPsecのトランスポートモードでは、エンドホスト間で直接暗号化通信が行われます。これにより、発信ホストと受信ホストの間の全経路上でメッセージが暗号化されます。
イ: LDAPクライアントがLDAPサーバに接続するとき,その通信内容は暗号化することができない。
誤り。LDAPは標準では暗号化されませんが、SSL/TLSを使用することで通信内容を暗号化することが可能です。
ウ: S/MIMEで暗号化した電子メールは,受信側のメールサーバ内に格納されている間は,メール管理者が平文として見ることができる。
誤り。S/MIMEで暗号化されたメールは、受信側のメールサーバに保存されている間も暗号化された状態で保管されるため、管理者が平文で内容を見ることはできません。
エ: SSLを使用すると,暗号化されたHTML文書はブラウザのキャッシュの有無が設定できず,ディスク内に必ず保存される。
誤り。SSLを使用していても、HTTPヘッダーの「Cache-Control」などを使ってキャッシュの有無を制御することが可能です。また、ブラウザの設定でもキャッシュ挙動を制御できます。
【答え】
ア: IPsecのトランスポートモードでは,ゲートウェイ間の通信経路上だけではなく,発信ホストと受信ホストの間の全経路上でメッセージが暗号化される。
出典:平成21年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問10