平成22年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問18 2025年7月24日
【問題18】
LANの制御方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ア
CSMA/CD方式では,単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと,衝突の頻度が増すので,スループットはある値をピークとして,その後下がる。
イ
CSMA/CD方式では,一つの装置から送出されたフレームが順番に各装置に伝送されるので,リング状のLANに適している。
ウ
TDMA方式では,伝送路上におけるフレームの伝送遅延時間による衝突が発生する。
エ
トークンアクセス方式では,トークンの巡回によって送信権を管理しているので,トラフィックが増大すると,CSMA/CD方式に比べて伝送効率が急激に低下する。
【解説】
ア: CSMA/CD方式では,単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと,衝突の頻度が増すので,スループットはある値をピークとして,その後下がる。
正しい 。CSMA/CD方式(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)では、トラフィックが増えると衝突が頻発し、再送処理が多くなるため、スループットは一定のピークを迎えた後、かえって低下していきます。
イ: CSMA/CD方式では,一つの装置から送出されたフレームが順番に各装置に伝送されるので,リング状のLANに適している。
誤り 。CSMA/CDは主にバス型やスター型LAN(イーサネット)に適しており、リング状ネットワークには適していません。
ウ: TDMA方式では,伝送路上におけるフレームの伝送遅延時間による衝突が発生する。
誤り 。TDMA(時分割多重アクセス)は送信時間をあらかじめ分けているため、フレームが重なる(衝突する)ことは基本的に起こりません。
エ: トークンアクセス方式では,トークンの巡回によって送信権を管理しているので,トラフィックが増大すると,CSMA/CD方式に比べて伝送効率が急激に低下する。
誤り 。トークン方式は衝突が発生しないため、高トラフィック時にも効率よく通信できる設計です。CSMA/CDより効率が低下するという記述は不適切です。
【答え】
ア: CSMA/CD方式では,単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと,衝突の頻度が増すので,スループットはある値をピークとして,その後下がる。
出典:平成22年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問18