平成23年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問15
【問題15】
IPsecのAHに関する説明のうち,適切なものはどれか。
IPパケットを暗号化する対象部分によって,トランスポートモード,トンネルモードの方式がある。
暗号化アルゴリズムや暗号化鍵のライフタイムが設定される管理テーブルで,期間を過ぎると新しいデータに更新される。
暗号化アルゴリズムを決定し,暗号化鍵を動的に生成する鍵交換プロトコルで,暗号化通信を行う。
データの暗号化は行わず,SPI,シーケンス番号,認証データを用い,完全性の確保と認証を行う。
【解説】
ア: IPパケットを暗号化する対象部分によって,トランスポートモード,トンネルモードの方式がある。
誤り。これらはIPsec全体の通信モードに関する説明であり、AH固有の内容ではありません。
イ: 暗号化アルゴリズムや暗号化鍵のライフタイムが設定される管理テーブルで,期間を過ぎると新しいデータに更新される。
誤り。これはセキュリティアソシエーション(SA)管理の説明で、暗号化に関するものであり、AH自体の説明ではありません。
ウ: 暗号化アルゴリズムを決定し,暗号化鍵を動的に生成する鍵交換プロトコルで,暗号化通信を行う。
誤り。これはIKE(Internet Key Exchange)の説明であり、AHそのものの機能ではありません。
エ: データの暗号化は行わず,SPI,シーケンス番号,認証データを用い,完全性の確保と認証を行う。
正しい。AH(Authentication Header)は、IPパケットの認証と完全性保護を行うプロトコルであり、暗号化は行いません。主に改ざん防止と送信元認証が目的です。
【答え】
エ: データの暗号化は行わず,SPI,シーケンス番号,認証データを用い,完全性の確保と認証を行う。
出典:平成23年度 秋期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問15