平成24年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問2
【問題2】
作成者によってデジタル署名された電子文書に,タイムスタンプ機関がタイムスタンプを付与した。この電子文書を公開する場合のタイムスタンプの効果のうち,適切なものはどれか。
タイムスタンプを付与した時刻以降に,作成者が電子文書の内容をほかの電子文書へコピーして流用することを防止する。
タイムスタンプを付与した時刻以降に,第三者が電子文書の内容をほかの電子文書へコピーして流用することを防止する。
電子文書が,タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示すことによって,作成者が電子文書の作成を否認することを防止する。
電子文書が,タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示すことによって,第三者が電子文書を改ざんすることを防止する。
【解説】
ア: タイムスタンプを付与した時刻以降に,作成者が電子文書の内容をほかの電子文書へコピーして流用することを防止する。
誤り。タイムスタンプは文書の作成時刻や改ざんの有無を証明するものであり,流用を直接防止する機能はありません。
イ: タイムスタンプを付与した時刻以降に,第三者が電子文書の内容をほかの電子文書へコピーして流用することを防止する。
誤り。これもアと同様に,タイムスタンプは文書の時刻や改ざん防止を目的としており,流用を防ぐ機能はありません。
ウ: 電子文書が,タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示すことによって,作成者が電子文書の作成を否認することを防止する。
正しい。タイムスタンプは,文書が特定の時点より前に存在していたことを証明するため,作成者による否認を防止できます。
エ: 電子文書が,タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示すことによって,第三者が電子文書を改ざんすることを防止する。
誤り。タイムスタンプは改ざんされていないことを証明するものであり,改ざんそのものを防ぐ機能ではありません。
【答え】
ウ: 電子文書が,タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示すことによって,作成者が電子文書の作成を否認することを防止する。
出典:平成24年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問2