平成27年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問21

【解説】

ア: 参加者は，フェーズ1で調停者にコミット了承の応答を返してしまえば，フェーズ2のコミット要求を受信しなくても，ローカルにコミット処理が進められる。
誤り。フェーズ1で了承を返しても、フェーズ2で調停者からの正式なコミット指示があるまで参加者は処理を進められません。

イ: 調停者に障害が発生するタイミングによっては，その回復処理が終わらない限り，参加者全員がコミットもロールバックも行えない事態が起こる。
正しい。2相コミットでは、調停者からの最終指示がないと、参加者はどちらの処理も進められないため、調停者の復旧を待たなければならないケースがあります。

ウ: 一つの分散トランザクションに複数の調停者及び参加者が存在し得る。例えば，5個のシステム（プログラム）が関与している場合，調停者数が2，参加者の数が3となり得る。
誤り。2相コミットプロトコルでは調停者は1つである必要があり、複数存在することは想定されていません。

エ: フェーズ1で返答のない参加者が存在しても，調停者は強制的にそのトランザクションをコミットすることができる。
誤り。返答がない参加者が存在する場合、調停者は安全のためにトランザクションのコミットを行えず、ロールバックまたは中断する必要があります。