平成28年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問11
2025年7月21日
【問題11】
JIS Q 27000における情報セキュリティリスクに関する定義のうち,適切なものはどれか。
脅威とは,一つ以上の要因によって悪用される可能性がある,資産又は管理策の弱点のことである。
脆弱性とは,望ましくないインシデントを引き起こし,システム又は組織に損害を与える可能性がある潜在的な原因のことである。
リスク対応とは,リスクの大きさが,受容可能か又は許容可能かを決定するために,リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセスのことである。
リスク特定とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
【解説】
ア: 脅威とは,一つ以上の要因によって悪用される可能性がある,資産又は管理策の弱点のことである。
誤り。これは脆弱性の定義に該当します。脅威とは「システムや組織に損害を与える可能性がある望ましくないインシデントの原因」とされます。
イ: 脆弱性とは,望ましくないインシデントを引き起こし,システム又は組織に損害を与える可能性がある潜在的な原因のことである。
誤り。これは脅威の定義であり、脆弱性の説明としては不正確です。
ウ: リスク対応とは,リスクの大きさが,受容可能か又は許容可能かを決定するために,リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセスのことである。
誤り。これは「リスク評価(risk evaluation)」の定義です。リスク対応とは「リスクを修正するためのプロセス」のことです。
エ: リスク特定とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
正しい。これはJIS Q 27000における「リスク特定(risk identification)」の定義です。
【答え】
エ: リスク特定とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
出典:平成28年度 春期 情報セキュリティスペシャリスト試験 午前II 問11