平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問4
【問題4】
マルチベクトル型DDoS攻撃に該当するものはどれか。
攻撃対象のWebサーバ1台に対して,多数のPCから一斉にリクエストを送ってサーバのリソースを枯渇させる攻撃と,大量のDNS通信によってネットワークの帯域を消費させる攻撃を同時に行う。
攻撃対象のWebサイトのログインパスワードを解読するために,ブルートフォースによるログイン試行を,多数のスマートフォンやIoT機器などの踏み台から成るボットネットから一斉に行う。
攻撃対象のサーバに大量のレスポンスが同時に送り付けられるようにするために,多数のオープンリゾルバに対して,送信元IPアドレスを攻撃対象のサーバのIPアドレスに偽装した名前解決のリクエストを一斉に送信する。
攻撃対象の組織内の多数の端末をマルウェアに感染させ,当該マルウェアを遠隔操作することによってデータの改ざんやファイルの消去を一斉に行う。
【解説】
ア: 攻撃対象のWebサーバ1台に対して、多数のPCから一斉にリクエストを送ってサーバのリソースを枯渇させる攻撃と、大量のDNS通信によってネットワークの帯域を消費させる攻撃を同時に行う。
正しい。マルチベクトル型DDoS攻撃は、複数のDDoS攻撃手法を組み合わせて標的のサービス停止を狙う攻撃です。サーバのリソースを枯渇させる攻撃と、ネットワーク帯域を溢れさせる攻撃を同時に行うことで、防御を難しくします。
イ: 攻撃対象のWebサイトのログインパスワードを解読するために、ブルートフォースによるログイン試行を、多数のスマートフォンやIoT機器などの踏み台から成るボットネットから一斉に行う。
誤り。これはブルートフォース攻撃に該当し、DDoS攻撃ではありません。
ウ: 攻撃対象のサーバに大量のレスポンスが同時に送り付けられるようにするために、多数のオープンリゾルバに対して、送信元IPアドレスを攻撃対象のサーバのIPアドレスに偽装した名前解決のリクエストを一斉に送信する。
誤り。これはDRDoS(反射型DoS)攻撃に該当します。
エ: 攻撃対象の組織内の多数の端末をマルウェアに感染させ、当該マルウェアを遠隔操作することによってデータの改ざんやファイルの消去を一斉に行う。
誤り。これは標的型攻撃に該当し、DDoS攻撃ではありません。
【答え】
ア: 攻撃対象のWebサーバ1台に対して、多数のPCから一斉にリクエストを送ってサーバのリソースを枯渇させる攻撃と、大量のDNS通信によってネットワークの帯域を消費させる攻撃を同時に行う。
出典:平成30年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問4