平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問4
【問題4】
ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する最大の計算量は,256の2乗である。
SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,2の256乗である。
衝突発見困難性とは,ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
【解説】
ア: SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する最大の計算量は,256の2乗である。
誤り。SHA-256の衝突発見困難性における計算量は「2の128乗」が正しい値です(バースデー攻撃の計算量に基づく)。
イ: SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,2の256乗である。
誤り。これはハッシュ値の逆算困難性(第二原像困難性)に関する記述であり,衝突発見困難性の説明ではありません。
ウ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
誤り。これは第二原像困難性の説明であり,衝突発見困難性の説明ではありません。
エ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
正しい。これは衝突発見困難性の正しい説明であり、ハッシュ関数の性質を示しています。
【答え】
エ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
出典:平成31年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問4