令和3年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問3
【問題3】
ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する最大の計算量は,256の2乗である。
SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,2の256乗である。
衝突発見困難性とは,ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
【解説】
ア: SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する最大の計算量は,256の2乗である。
誤り。ハッシュ値が一致する二つのメッセージを見つけるには「誕生日のパラドックス」が適用されるため、計算量は約2の128乗となります(SHA-256のビット長を考慮)。
イ: SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,2の256乗である。
誤り。これは衝突発見困難性ではなく、第二原像困難性に関する記述です。
ウ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
誤り。これは第二原像困難性の説明に該当し、衝突発見困難性の説明ではありません。
エ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
正しい。衝突発見困難性は、異なる入力値で同じハッシュ値を持つ二つのメッセージを見つけることが計算量的に困難である性質を指します。
【答え】
エ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
出典:令和3年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問3