令和4年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問8
【問題8】
前方秘匿性(Forward Secrecy)の説明として,適切なものはどれか。
鍵交換に使った秘密鍵が漏洩したとしても,それより前の暗号文は解読されない。
時系列データをチェーンの形で結び,かつ,ネットワーク上の複数のノードで共有するので,データを改ざんできない。
対となる二つの鍵の片方の鍵で暗号化したデータは,もう片方の鍵でだけ復号できる。
データに非可逆処理をして生成される固定長のハッシュ値からは,元のデータを推測できない。
【解説】
ア: 鍵交換に使った秘密鍵が漏洩したとしても,それより前の暗号文は解読されない。
正しい。前方秘匿性(Forward Secrecy)とは、鍵交換に使った秘密鍵が漏洩しても、過去に送信された暗号化通信の内容が解読されないことを保証する暗号プロトコルの特性です。主にDiffie-Hellman鍵交換の一時的な鍵を用いることで実現されます。
イ: 時系列データをチェーンの形で結び,かつ,ネットワーク上の複数のノードで共有するので,データを改ざんできない。
誤り。これはブロックチェーン技術の特徴を指しており、前方秘匿性とは無関係です。
ウ: 対となる二つの鍵の片方の鍵で暗号化したデータは,もう片方の鍵でだけ復号できる。
誤り。これは公開鍵暗号方式の特徴であり、前方秘匿性とは直接関係がありません。
エ: データに非可逆処理をして生成される固定長のハッシュ値からは,元のデータを推測できない。
誤り。これはハッシュ関数の特徴を説明したものであり、前方秘匿性とは無関係です。
【答え】
ア: 鍵交換に使った秘密鍵が漏洩したとしても,それより前の暗号文は解読されない。
出典:令和4年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問8