令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問7
【問題7】
ブロック暗号の暗号利用モードの一つであるCTR(Counter)モードに関する記述のうち,適切なものはどれか。
暗号化と復号の処理において,出力は,入力されたブロックと鍵ストリームとの排他的論理和である。
暗号化の処理において,平文のデータ長がブロック長の倍数でないときにパディングが必要である。
ビット誤りがある暗号文を復号すると,ビット誤りのあるブロック全体と次のブロックの対応するビットが平文ではビット誤りになる。
複数ブロックの暗号化の処理は並列に実行できないが,複数ブロックの復号の処理は並列に実行できる。
【解説】
ア: 暗号化と復号の処理において,出力は,入力されたブロックと鍵ストリームとの排他的論理和である。
正しい。CTRモードではカウンタ値を暗号化して生成された鍵ストリームを平文または暗号文と排他的論理和(XOR)を取ることで暗号化・復号を行います。
イ: 暗号化の処理において,平文のデータ長がブロック長の倍数でないときにパディングが必要である。
誤り。CTRモードではパディングは不要です。鍵ストリームと平文の長さが一致していれば問題なく暗号化できます。
ウ: ビット誤りがある暗号文を復号すると,ビット誤りのあるブロック全体と次のブロックの対応するビットが平文ではビット誤りになる。
誤り。CTRモードではビット誤りは対応するビットにのみ影響します。他のブロックには影響しません。
エ: 複数ブロックの暗号化の処理は並列に実行できないが,複数ブロックの復号の処理は並列に実行できる。
誤り。CTRモードは暗号化と復号の両方で並列処理が可能です。カウンタ値を用いるため、各ブロックが独立して処理できます。
【答え】
ア: 暗号化と復号の処理において,出力は,入力されたブロックと鍵ストリームとの排他的論理和である。
出典:令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問7