令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問19

【解説】

スパニングツリープロトコル (STP) は、ネットワーク内のループを防ぐために、ルートブリッジを根としたツリー構造を形成します。各ブリッジのポートは以下の役割を持ちます。

ルートポート (Root Port): 各ブリッジがルートブリッジに到達するための最短経路上のポートです。各ブリッジに1つだけ存在し、ルートブリッジまでの経路コストが最小となるポートが選ばれます。

代表ポート (Designated Port): 各ネットワークセグメントにおいて、ルートブリッジまでの経路コストが最も小さいブリッジのポートです。セグメント内の全てのデータフレームを転送する役割を持ちます。

問題文の「任意の一つのリンクの両端のブリッジのうち、ルートブリッジまでの経路コストが小さいブリッジの側にあるポート」は、該当セグメントでの代表ポート (Designated Port) を指します。

ア: アクセスポート (Access Port)
これはVLANにおいて1つのVLANにのみ接続するポートであり、STPの役割とは直接関係ありません。

イ: 代表ポート (Designated Port)
正しい。各リンクにおいて、ルートブリッジまでの経路コストが最小となるブリッジのポートです。

ウ: トランクポート (Trunk Port)
これは複数のVLANに割り当てられ、複数のVLANのフレームを転送できるポートであり、STPの役割とは直接関係ありません。

エ: ルートポート (Root Port)
これは各ブリッジがルートブリッジに到達するための最短経路上のポートであり、問題文の条件には該当しません。