令和6年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問7
2025年7月24日
【問題7】
あるIdP(Identity Provider)は、パスキー(Passkey)認証をサポートしており、利用者Aは、このIdPのFIDO認証器として、自分のスマートフォンの生体認証機能を登録してある。また、WebサーバBは、このIdPを使ってログインが可能である。利用者AのWebブラウザからWebサーバBにアクセスする際、利用者Aの生体情報を受信するもの、受信しないものの組合せのうち、適切なものはどれか。
【解説】
FIDO(Fast Identity Online)は、パスワードレス認証を実現するための標準規格であり、公開鍵暗号方式を使用して安全な認証を提供します。
FIDO認証の主な構成要素は以下のとおりです。
- FIDOサーバ: 認証要求と結果を管理する。
- RPサーバ: FIDOサーバに対して認証を求める(例: Webサーバ)。
- クライアント: Webブラウザやアプリケーション。
- 認証器: 利用者のデバイス上で認証を行うモジュール(例: スマートフォンの生体認証機能)。
認証の流れは以下のとおりです。
- 登録: 認証器で公開鍵/秘密鍵のペアを生成し、公開鍵をFIDOサーバに登録します。
- 認証:
- クライアントがRPサーバにログインを要求します。
- RPサーバはFIDOサーバに認証を依頼します。
- FIDOサーバはチャレンジを含む認証要求をクライアントに送信します。
- クライアントは認証器で生体認証を行い、秘密鍵でチャレンジに署名します。
- 署名結果はFIDOサーバに送信され、公開鍵で検証されます。
- 認証結果がRPサーバに返され、ログインが完了します。
重要な点は、生体情報は認証器内でのみ使用され、外部に送信されないことです。
【答え】
ア: 利用者AのWebブラウザ: 受信しない, WebサーバB: 受信しない, IdP: 受信しない
出典:令和6年度 秋期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問7