令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問4
【問題4】
ハッシュ関数の性質の一つである衝突発見困難性に関する記述のうち,適切なものはどれか。
SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値が一致する二つの元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,256の2乗である。
SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,2の256乗である。
衝突発見困難性とは,ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つの元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
【解説】
ア: SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値が一致する二つの元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,256の2乗である。
誤り。SHA-256の衝突発見困難性は2の128乗の計算量を要します(誕生日のパラドックスに基づく)。
イ: SHA-256の衝突発見困難性を示す,ハッシュ値の元のメッセージの発見に要する最大の計算量は,2の256乗である。
誤り。これは第二原像困難性(ハッシュ値から元のメッセージを特定する困難性)に該当し、衝突発見困難性の説明ではありません。
ウ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が与えられたときに,元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
誤り。これは第二原像困難性の説明に近く、衝突発見困難性ではありません。
エ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つの元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
正しい。衝突発見困難性とは、異なる入力データから同一のハッシュ値を生成することが非常に困難である性質を指します。
【答え】
エ: 衝突発見困難性とは,ハッシュ値が一致する二つの元のメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる,発見の困難性のことである。
出典:令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問4