令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問6
【問題6】
デジタル証明書に関する記述のうち,適切なものはどれか。
S/MIMEやTLSで利用するデジタル証明書の規格は,ITU-T X.400で標準化されている。
TLSにおいて,デジタル証明書は,通信データの暗号化のための鍵交換や通信相手の認証に利用されている。
認証局が発行するデジタル証明書は,申請者の秘密鍵に対して認証局がデジタル署名したものである。
ルート認証局は,下位の認証局の公開鍵にルート認証局の公開鍵でデジタル署名を行いデジタル証明書を発行する。
【解説】
ア: S/MIMEやTLSで利用するデジタル証明書の規格は,ITU-T X.400で標準化されている。
誤り。S/MIMEやTLSで利用するデジタル証明書の規格は、ITU-T X.509で標準化されています。X.400はメッセージ交換のためのプロトコルです。
イ: TLSにおいて,デジタル証明書は,通信データの暗号化のための鍵交換や通信相手の認証に利用されている。
正しい。TLSではデジタル証明書を使用して、通信相手を認証するとともに、公開鍵を用いた暗号化通信を行う鍵交換の安全性を確保しています。
ウ: 認証局が発行するデジタル証明書は,申請者の秘密鍵に対して認証局がデジタル署名したものである。
誤り。認証局は申請者の**公開鍵**に対してデジタル署名を行い、証明書を発行します。秘密鍵は署名の対象にはなりません。
エ: ルート認証局は,下位の認証局の公開鍵にルート認証局の公開鍵でデジタル署名を行いデジタル証明書を発行する。
誤り。ルート認証局は下位認証局の公開鍵に対して**自分自身の秘密鍵**で署名を行い、証明書を発行します。公開鍵は署名には使用されません。
【答え】
イ: TLSにおいて,デジタル証明書は,通信データの暗号化のための鍵交換や通信相手の認証に利用されている。
出典:令和5年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問6