令和4年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問6
【問題6】
量子暗号の特徴として、適切なものはどれか。
暗号化と復号の処理を、量子コンピュータを用いて瞬時に行うことができるので、従来のコンピュータでの処理に比べて大量のデータの秘匿を短時間で実現できる。
共通鍵暗号方式であり、従来の情報の取扱量の最小単位であるビットの代わりに量子ビットを用いることによって、瞬時のデータ送受信が実現できる。
量子雑音を用いて疑似乱数を発生させて共通鍵を生成し、公開鍵暗号方式で共有することによって、解読が困難な秘匿通信が実現できる。
量子通信路を用いて安全に共有した乱数列を使い捨ての暗号鍵として用いることによって、原理的に第三者に解読されない秘匿通信が実現できる。
【解説】
ア: 暗号化と復号の処理を、量子コンピュータを用いて瞬時に行うことができるので、従来のコンピュータでの処理に比べて大量のデータの秘匿を短時間で実現できる。
誤り。量子暗号は量子コンピュータの計算能力とは直接関係がなく、量子力学の原理を活用して秘匿性を確保するものです。
イ: 共通鍵暗号方式であり、従来の情報の取扱量の最小単位であるビットの代わりに量子ビットを用いることによって、瞬時のデータ送受信が実現できる。
誤り。量子ビットは量子情報の基本単位ですが、瞬時のデータ送受信を保証するものではありません。
ウ: 量子雑音を用いて疑似乱数を発生させて共通鍵を生成し、公開鍵暗号方式で共有することによって、解読が困難な秘匿通信が実現できる。
誤り。量子暗号は公開鍵暗号方式ではなく、量子鍵配送(QKD)を用いて鍵を安全に共有する仕組みです。
エ: 量子通信路を用いて安全に共有した乱数列を使い捨ての暗号鍵として用いることによって、原理的に第三者に解読されない秘匿通信が実現できる。
正しい。量子鍵配送(QKD)は、量子通信路を用いて乱数列を安全に共有することで、盗聴の検知と安全な秘匿通信を実現します。
【答え】
エ: 量子通信路を用いて安全に共有した乱数列を使い捨ての暗号鍵として用いることによって、原理的に第三者に解読されない秘匿通信が実現できる。
出典:令和4年度 春期 情報処理安全確保支援士試験 午前II 問6